『舞面真面とお面の女』『パーフェクトフレンド』を読んだ

引き続き、野崎まど5部作。

 

舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)

舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)

 

 

実際に読んだ順番は『パーフェクトフレンド』→『舞面真面』なのだが、『パーフェクトフレンド』の終わり方がこれまでの5部作と『2』とのつながりを予感させるものだったので、出版順に感想を書く。

 

『舞面真面』は5部作の2作目にあたる小説。名門東央大学(東大・・・?)の工学部大学院生である舞面真面(まいつらまとも、♂)は、叔父の舞面影面(かげとも)に頼まれて、影面の娘であり従兄弟の水面(みなも)と影面が頼んだ探偵とともに影面の祖父であり真面と水面の曽祖父、一代で「舞面財閥」と呼ばれるほどの事業を起こしつつも早世した舞面彼面(かのも)の遺した謎の言葉「箱を解き 石を解き 面を解け よきものが待っている」の謎解きを託される。同時に残された箱、そして舞面家の近所に残されていた大きな立方体の石を調べていた真面の眼の前に、不思議な獣のお面をかぶった中学生くらいの少女が現れる。この少女は誰なのか、お面の意味は何なのか、そして何より彼面の遺した文章の意味は何なのか?

 

一方の『パーフェクトフレンド』、これまでの4作とはがらりと変わって小学生が主人公。クラス委員の理桜(りざくら)は、転入以来一度も学校に来ていない生徒、さなかの家を訪ねて学校に来るよう説得して欲しいと担任の千里子先生から頼まれる。理桜が友達のややや、柊子とともにさなかが住む吉祥寺の駅前のマンションを訪ねてみると、3人を出迎えたさなかは、中学・高校の学習内容を自分で終え、かつすでにイギリスの大学を卒業して博士号も取得しているという天才少女だった。さなかとは何者なのか?理桜はさなかと友達(パーフェクトフレンド)になれるのか?

 

野崎まど作品の感想は、この記事の前に書いたことに尽きる。『2』に続く5部作、ということを知識を得ているので、どこでつながってくるんだろう、この作品とあの作品はこうつながってくるんじゃないかしら、などと考えながら読んでいたのだが、『パーフェクトフレンド』は最後いきなり直球が来て、まともに衝撃を受けてしまった。いや、途中の登場人物の描写からこれは何か隠しているのだろうと予想はしていたのだが、まさかそう来るとは思っていなかった・・・。『2』ではどんな深淵を見させられるのか、とても怖くてとても楽しみだ。