『35の名著でたどる科学史 科学者はいかに世界を綴ったか』を読んだ

近所の図書館で見かけ、そう言えば後期の講義で科学史の話するから、ブラッシュアップのためにまた勉強しないとなーと考えつつあまり期待せずに借りてみた・・・のだが、これがめちゃくちゃ面白かった。

 

35の名著でたどる科学史 科学者はいかに世界を綴ったか

35の名著でたどる科学史 科学者はいかに世界を綴ったか

  • 作者:小山 慶太
  • 発売日: 2019/02/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

ニュートンの『プリンキピア』やダーウィンの『ビーグル号航海記』、ワトソン『二重らせん』など、35の著作を通して、科学革命から近代科学に至るまでの科学史を概説した本。科学史において鍵となる科学的発見が、時代背景や科学者の人となりを含めてわかりやすく紹介されている。著者の小山慶太先生が物理の方ということもあって物理中心のセレクトだけど、生物ネタもちょいちょいある。なんでメンデルの話がないんだろう?と思ったんだけど、メンデル自身が書いた、あるいは他の人がメンデルについて書いた著作で適当なものがなかったのかな・・・。しかし「35の著作」はほとんどが「本」だけど、中にはアインシュタインの「運動物体の電気力学について」など、科学雑誌に発表された論文も含まれているので、生物学者としては、メンデルも入れて欲しかったという気はする。

 

紹介されている「著作」は、どれもとても面白そうで全部読んでみたくなるのだが、最後に文献一覧がついていないのはちょっと残念だった。文章中では出版社、訳者などもちゃんと書かれているんだけど、あとからいちいち探して拾っていくのが面倒なんだよな・・・。

 

今回は図書館で借りたのだが、講義にも使えそうなので購入決定。寡聞にして存じ上げなかったのだけれど、小山先生は早稲田大学の名誉教授で一般向けの著作もたくさんある方なのね。他の著作も読んでみよう。