『ロボット学者、植物に学ぶ』を読んだ

大学生協で買って積読にしてあった本の一冊。 ロボット学者、植物に学ぶ―自然に秘められた未来のテクノロジー 作者:バルバラ・マッツォライ 白揚社 Amazon 「植物に学ぶ」というタイトルなんだけど、前半はずっと動物をモデルにしたバイオミメティクス、バイ…

『進化の技法 転用と盗用と争いの40億年』を読んだ

現役シカゴ大学教授による一般向け科学書。 進化の技法――転用と盗用と争いの40億年 作者:ニール・シュービン みすず書房 Amazon 生物の進化の過程と、その過程を明らかにしてきた科学者たちのお話。科学者たちの人となりやエピソードとともに、進化の仕組み…

『カエル教える生物統計コンサルテーション』を読んだ

統計学が苦手である。大学受験のときに統計学の授業も一応取ったけど、全然わからず点も取れなかった。全然わからず点も取れず、という経験をしたのは、物理と統計だけである。研究を始めてから、もちろん実験結果に対して統計処理をしないといけないことが…

『オメガ城の惨劇』を読んだ

本屋で見かけて、裏表紙のあらすじを見て、犀川先生と真賀田四季出てくるんだ?買わなきゃ!となって買った。久しぶりの森博嗣ミステリ。 オメガ城の惨劇 SAIKAWA Sohei’s Last Case (講談社ノベルス) 作者:森博嗣 講談社 Amazon 英語…

『進化論はいかに進化したか』を読んだ

再来年度から教える講義で、進化を軸に話そうかなあと考えている。しかし私は「進化」をちゃんと勉強したことがない。ちょいちょい論文は読んでるけど、そもそもダーウィンの『種の起源』すら通して読んだことがない(一部は読んだ)。こんなひどい生物学者…

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読んだ

私のTLではかなりの話題になっていた、アンディ・ウィアーの新作。私は小説はほとんど文庫本でしか買わないのだけど、これは文庫になるのが待てなくて単行本で買ってしまった。 プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 作者:アンディ ウィアー 早川書房 Amazon …

『男たちを知らない女』を読んだ

「男女ともに感染するが、発症するのは男性のみ。発症したら9割の確率で死ぬウイルス感染症」が流行し、男性がほぼいなくなってしまう社会を描く近未来SF小説。 男たちを知らない女 (ハヤカワ文庫SF) 作者:クリスティーナ スウィーニー=ビアード 早川書房 A…

『地球46億年気候大変動』を読んだ

しばらく前に買ってあって積んであったのを、職場の居室を引っ越した際に見つけて「なんか面白そうな本あるー」と手に取った次第(いや「なんか面白そうな本あるー」じゃねえよ自分で買ったんだよ・・・)。 地球46億年 気候大変動 炭素循環で読み解く、地…

『私の科学者ライフ』を読んだ

最近、理系女子・科学者キャリア系の本が結構たくさん出てますよね?で、自分が就職に苦労したこともあり、これからキャリアを積んでいく学生を育てる立場になったこともあり、ほぼ出る端から読んでいる。猿橋賞受賞者の声を集めたこの本も、そういう理系女…

『謎のアジア納豆』を読んだ

昨年本屋で見つけて買っておいた高野秀行さんの本をやっと読んだ。 謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫) 作者:高野秀行 発売日: 2020/07/03 メディア: Kindle版 西南シルクロードの旅やアヘン栽培をめぐるミャンマー奥地での滞在取材…

『日本SFの臨界点 [怪奇篇] ちまみれ家族』を読んだ

SF

ここしばらくSF読んでないなあ、と本屋でハヤカワ文庫を物色中に見つけ、購入。 日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族 (ハヤカワ文庫JA) 発売日: 2020/07/16 メディア: Kindle版 こちらの「怪奇篇」と「恋愛篇」の2つがあったのだが、とりあえず怪奇篇を…

『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』を読んだ

『つけびの村』の高橋ユキさんが1月始めにこの本についてツイートしてらして、非常に興味をひかれたので本屋で購入。案の定面白くて一日で読み切った。 デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 (集英社学芸単行本) 作者:河野啓 発売日: 2020/11/26 メディア:…

『ちゃんと知りたい!新型コロナの科学』を読んだ

昨年から、本を買っても積ん読にしておくことが多かったのだけれど、最近「すぐ読みたい!」という気持ちが戻ってきた。なんか昨年は読書的に停滞期だったのかな。 というわけでこちらの本も生協で注文したのが届いてすぐ読んだ。 ちゃんと知りたい! 新型コ…

『科学哲学へのいざない』を読んだ

近所の書店でたまたま見かけて、「あれ?あの(東大教養学部にいらした)佐藤直樹先生?同名の別人?」と手に取ったら「あの」佐藤直樹先生だった。 科学哲学へのいざない 作者:佐藤直樹 発売日: 2020/07/18 メディア: 単行本(ソフトカバー) ちょうど準備…

『湖の男』を読んだ

学生さんに教えてもらった、アイスランドのミステリ。 湖の男 エーレンデュル捜査官シリーズ (創元推理文庫) 作者:アーナルデュル・インドリダソン 発売日: 2020/03/19 メディア: Kindle版 学生さんがおすすめしてくれたのは二作目の『緑衣の女』だったのだ…

『「役に立たない」科学が役に立つ』を読んだ

夏の間に生協書籍部で買っていた本。確かツイッターでも少し話題になっていたんだよな。 「役に立たない」科学が役に立つ 作者:エイブラハム・フレクスナー,ロベルト・ダイクラーフ 発売日: 2020/07/29 メディア: 単行本 プリンストン高等研究所(Institute …

『三体』『三体II』を読んだ

SF

もう一ヶ月以上前に読み終わったのだけれど、特に『三体II』は、未だに折りに触れ思い出しては陶然としてしまうくらい、異様に面白かった。すごい読書体験だった。 三体 作者:劉 慈欣 発売日: 2019/07/04 メディア: Kindle版 三体Ⅱ 黒暗森林(上) 作者:劉 …

『35の名著でたどる科学史 科学者はいかに世界を綴ったか』を読んだ

近所の図書館で見かけ、そう言えば後期の講義で科学史の話するから、ブラッシュアップのためにまた勉強しないとなーと考えつつあまり期待せずに借りてみた・・・のだが、これがめちゃくちゃ面白かった。 35の名著でたどる科学史 科学者はいかに世界を綴った…

『翻訳がつくる日本語 ヒロインは「女ことば」を話し続ける』を読んだ

翻訳における「女ことば」について考える機会があり(どんなきっかけだったのかは忘れてしまった・・・が、おそらく北村紗衣先生のツイート関連だと思う)、これまたどんなつながりだったのか忘れてしまったけれど、この本の存在を知って読んでみた。 翻訳が…

『プルトニウム・ファイル』を読んだ

『ワン・モア・ヌーク』についてのレポートを書くために読んでいたのだが、これが予想外に長い本で(Kindleで買ったので厚みがわからないまま読んでた)、内容のヘビーさも相まってなかなか一気に読めず、やっとさっき読み終わったところ・・・(つまり先に…

『ワン・モア・ヌーク』を読んだ

SF

今年2月頃読んだ本。 ワン・モア・ヌーク (新潮文庫) 作者:太洋, 藤井 発売日: 2020/01/29 メディア: 文庫 以下の文は、仕事で学生さんに見せるレポート例として書いたものなのだが、記録としてこちらにも載せておく。 あらすじ 2015年から2017年にかけて、…

『ドリトル先生航海記』を読んだ

本屋で見つけて、「新訳出たんだ」とつい買ってしまった。 ドリトル先生航海記 (新潮文庫) 作者:ヒュー ロフティング 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/06/26 メディア: 文庫 で、買って読み終わってから、新訳版の訳者が生物学者の福岡伸一氏であるこ…

『科学技術をよく考える』を読んだ

昨年生協で見かけて買ったのかな?途中まで読んで放置していたのだが、最近やっと読み終えた。 科学技術をよく考える―クリティカルシンキング練習帳― 作者: 伊勢田哲治,戸田山和久,調麻佐志,村上祐子 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会 発売日: 2013/04/15 …

『海外で研究者になる』を読んだ

ツイッターで見かけて興味を惹かれ、購入。 海外で研究者になる-就活と仕事事情 (中公新書) 作者: 増田直紀 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2019/06/18 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 確か、奈良先端大のときからの知り合いで、現在は…

『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』を読んだ

「マツコの知らない世界」やNHKの番組にも出演し、これからますますのご活躍が期待される武蔵大学准教授北村紗衣先生のご著書。ツイッターで話題になっていたのが気になって、東京に帰省したときに丸善で探して買った。 お砂糖とスパイスと爆発的な何か?不真…

『耳鼻削ぎの日本史』を読んだ

明治大学教授で日本中世史の専門家である清水さんの著書。以前本屋で見かけて買ったのかな?高野秀行さんとの読書談義は二冊とも読んでいるのだけれど、清水さんご自身の著書を読むのは初めて。 耳鼻削ぎの日本史 (文春学藝ライブラリー) 作者: 清水克行 出…

『宇宙消失』を読んだ

SF

グレッグ・イーガンの長編はまだこれで3冊目なんだけど、毎回予期していなかった場所に連れて行かれてそこからさらにぶんぶん振り回されるような気分になる。結構疲れてしまうので、読み始めるときはちょっと気合が必要なんだけど、久しぶりに違う世界にふっ…

『ロバート・フック』『ニュートンに消された男 ロバート・フック』を読んだ

前回から随分間が空いてしまった・・・。やっとちょっと余裕が出てきたので更新。 確かまだ7月中だったけれど、ロバート・フックに関する本を立て続けに二冊読んだ。 ロバート・フック 作者: マーガレットエスピーナス,Margaret' Espinasse,横家恭介 出版社/…

『アヘン王国潜入記』を読んだ

辺境作家、高野秀行さんの出世作、になるのかな?以前購入して積んであった本。 アヘン王国潜入記 (集英社文庫) 作者: 高野秀行 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2007/03/20 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 35回 この商品を含むブログ (50件) を見る …

『女性学・男性学 ジェンダー論入門』を読んだ

男女共同参画について体系的に学ぼうシリーズ。 女性学・男性学 改訂版 -- ジェンダー論入門 (有斐閣アルマ) 作者: 伊藤公雄,樹村みのり,國信潤子 出版社/メーカー: 有斐閣 発売日: 2011/05/18 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る…